1.概況
厳寒期、土日の管理池ではウキが全く動かないという状況がざらではないでしょうか。
こんな時は、ミチイトもハリスも細く、ハリも号数を落として、少しでもへら鮒の気配をウキに伝えることが重要かと思います。
ヘラウキ尽心工房では、段差の底釣り用として、Type-A3、汎用タイプのType-A4をご用意していますが、もう一段サワリを引き出すために、チョーチンセット用のType-J3をお勧めいたします。
Type-A3はPCムク1.0mm、Tyope-A4ではグラスムムク1.0mmをトップにしていますが、このウキは、グラスムク0.8mmになります。

今回は先にウキに関する雑学を1つご紹介させていただきます。
パイプトップは浮力がある、グラスムクトップは浮力がないというような話しを耳にしますが、これは正確な表現ではないと思います。そもそもパーツではなく、ウキとしての総合性能ですのでこの表現は正確ではありません。
アルキメデスの原理に従えば、トップの素材に関係なく、トップの容積が同じであれば、同じなじみ幅を示します。
では素材が異なると何が変わるのかと言うと、パイプトップは中に空気が入っており、素材の比重は軽く、水に浮きます。グラスムクトップは比重が重く、水に沈みます。同じボディにそれぞれのトップを装着し、比較しますと、パイプトップのウキはウキ全体の浮力が増します。逆にグラスムクトップのウキは、全体の浮力は減少します。
パイプトップのウキは軽いので上へ上への力が出ますが、グラスムクトップのウキは、下へ下への動きがでます。
底釣りでは、ウキの戻りが重視されますので、パイプトップのウキが多く使われるのは、この理由からです。
逆に厳寒期では、僅かなサワリを表現して欲しいことから、グラスムクトップのほうがこの動きが出やすいです。反面、ズルーとした動きが多くなりますし、ウキの戻りは悪くなります。

前にも申しました通りウキは総合性能ですので、底釣りにおいてグラスムクトップのウキを製作する場合には、重いグラスムクトップを支えるしっかりとしたボディ、それをアシストする軽い素材を使用した脚が必要になります。

説明がかなり長くなりましたが、2023年2月16日につりぼりトムソーヤにお邪魔いたしました。
グラスムクトップを使って、段差の底釣りをしています。
サワリが出ている時は、待ちますし、誘いもかけます。この時期、バラケの打ち過ぎは逆効果になります。
サワリが途切れている場合は、小エサを打ちます。
エサを切るのか、待つのか、この判断ができるウキが釣りを楽くにしてくれます。

2.データ
●釣り人:自身

使用タックル
●サオ
合成竿 「春峰」9.0尺
●ミチイト
バリバス「エステル見える道糸」0.6号
●ハリス
上:東レ「スーパープロプラス ハリス」0.5号 10cm
下:東レ「スーパープロプラス ハリス」0.3号 60cm
●ハリ
上:がまかつ「アラシ」7号
下=がまかつ「コム」2号
●ウキ
ウキ:尽心作 匠 Type-J3の7番
オモリ負荷量:0.98g
羽根2枚合わせ5.5径 70mm、カーボン脚70mm、グラスムクトップ 元径0.8mm→0.6mmのテーパ付 130mm
エサ落ち目盛り=全11目盛り中7目盛り出し
●エサ
バラケ:マルキュー「粒戦」100cc+「粒戦細粒」50cc+水200cc、10分後、「ヤグラ」200cc+「パウダーベイトスーパーセット」100cc
クワセ:「力玉」(小)

3.ウキの動き


4.コメント
当日は背中からの風が強く、右に流れました。